【お酒失敗談】走れトモヤ

今回は私の読書仲間、酒飲み変態マッチョこと(ともやさん)にエピソードを頂きました!

(ともやさん)のインスタはこちら:@t___books

 

 

お酒にまつわる失敗、と聞いて真っ先に思い浮かぶ話がある。

正確にはお酒にまつわる失敗ではないかもしれないが、大きなくくりでそういうことにしておこう。···あれは俺が二十歳すぎで未だにフリーターをしていたときの話だ。

当時、彼女と同棲をしながらコンビニでアルバイトをしていた。

5月頃にようやく就職が決まり、アルバイトを辞めることになり、送別会を開いてもらった。

最後の出勤は翌日の17時から。

送別会ではしこたま飲んだ。のだと思う。

案の定、翌日の昼過ぎに目覚めるとひどい二日酔いだ。

なにもかもが揺れて見える。ハッシュタグを付けるなら#二日酔い越しの私の世界 である。

ちょうど彼女が仕事に行く時間だったので寝起きのジャージ姿のまま200円だけを握りしめ、一緒に部屋を出てマンションの下にある自販機にポカリを買いに行った。

自転車に乗って仕事に行く彼女を見送り、おつりの50円とポカリを握りしめ部屋に入ろうとしたその瞬間

「ガチャッ」

「ガチャッ、ガチャッ」

鍵がかかっている。

そう、彼女がいつもの癖で鍵をかけて出ていったのである。

『ったくもう〜、鍵かかっとーやん。電話して戻ってきてもら……』

………………そう、携帯は部屋の中に置いているのである。

『うわマジか〜、原付きで追いかけるしかな……』

………………そう、原付きの鍵も部屋の中に置いているのである。

『うそやんー、一旦実家に帰ってから行こうか……』

………………そう、実家の鍵も部屋に置いているのである。

『うわ、最悪や。実家に電話して服とか持ってきてもら……』

………………そう、以下省略である。

左手にポカリ、ポケットには50円。

ヨレヨレのTシャツにゴムの伸びたジャージ。

17時からバイト。

ようやくことの重大さに気付いた俺は迷わず駆け出した。

彼女の仕事場は大型ショッピングモールの中にあり、とてもこんな格好では入っていけない。

家から仕事場まで自転車で30分。

すでに3分ほど経過している。

ダッシュで追いかければ間に合う!と思いひたすら走った。

傍から見ればポカリ片手にマラソンしてる人である。

それでも俺は走った。

さながらセリヌンティウスのもとへ走るメロスのように。

2分ほど走ったあたりではたと気付く。

『走って自転車に追い付くの、無理じゃね?』

冷静になった俺の前に、神が味方したとでも言うように放置自転車がある。

迷わず放置自転車にまたがり必死にペダルを漕ぐ。

傍から見ればただの自転車泥棒である。

それでも俺はペダルを漕いだ。

さながら弱虫ペダルの眼鏡くんのように。(弱虫ペダル読んでないから名前分からん)

3分ほど漕いだあたりではたと気付く。

『あれだけタイムロスあって、自転車で自転車に追い付くの、無理じゃね?』

そこからの俺は本当に冷静だった。

自転車を乗り捨て、通りがかったタクシーを拾い、事情を説明し「この通りを真っ直ぐ、左側車線を走っててください」

走ること3分、彼女の姿を発見。

俺は叫んだ。

「おーい!家の鍵閉めたやろー!!」

爆笑する彼女から鍵をもらい、無事に家に帰り、運転手さんにお金を払い、ひと息ついたところで二日酔いだったことを思い出し、盛大に吐いた。

ひたすら吐いた。

さながら

🤮

こんな絵文字のように吐いた。

そのゲロの中には楽しかったアルバイトの思い出や、これからの人生に対する希望などが詰まっていたような気がする。(絶対詰まってない)

 

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