結婚式~やっぱりパーテーションが強い編~

何事かと振り向くとパンサーの菅に激似の男性が椅子にふんぞり返って座り、同じテーブルの
これまた柄の悪い仲間と馬鹿笑いしているところだった。
新郎はやんちゃ系と聞いていたがお友達もこんな感じでしたのね…

恐れ多くも私はいわゆるお嬢様大学と呼ばれるところに通っており、新婦をはじめ同じテーブルに座るのはその大学のゼミグループだ。新婦はモデル並みに可愛く学内では有名だったし、私の友人も、別テーブルに座っている新婦の職場仲間や高校の友達ももれなく全員可愛い。
そして漂う「ザ・お嬢様」感。(雰囲気を乱すリーゼントが一名。)

パンサー一族が意味不明な奇声をあげゲラゲラ笑う新郎側半分、
絶対誰とも目を合わせないようにする私たち新婦側半分。

披露宴がはじまり新郎の友人代表の挨拶の時間になった。
「みなさんはじめまして!新郎君の親友〇〇です!!30歳、独身、実家暮らし、ブラック企業で働く社畜です!!クレジットカードの暗証番号は〇〇〇〇でぇええす!!!!(全力)

爆発的に笑う新郎側。ドン引きの新婦側。
誰一人笑っていない女性たちに気づき
「おい、みんな引いとるやろ!責任取れ!!」
「なんかギャグしろ!!!」

と煽るポイントを逃すまいと叫びまくる新郎側。
それを見てさらにドン引きの新婦側。

地獄絵図である。

しかし、いざ披露宴が始まると、刺激的なパンサー一家による挨拶も忘れ
それぞれ食事や新郎新婦との写真撮影を楽しみ和やかな空気となった。

前菜が終わり、何かをペースト状にした微かに甘い香りのスープが運ばれてきた。
食事のためマスクを外したマミが、

「これってフリ?」

と口パクで話しかけてくる。
ちなみに立派なパーテーションのおかげで声を出しても伝わらないことが分かってきたので
この時点で私たちはとうとう会話に読唇術を取り込んでいた。

フリって誰のフリだよ、この状況で誰がボケるんだよ

と散々心の中で突っ込んだ私はとりあえず
「わからない」と口パクで答えた。

どうしても納得できる答えが欲しかったのか
マミは次に逆サイドのアヤノ(通称あやぬん)に同じ質問をしていた。
後から聞いたのだがマミはこの時「このスープって栗?」と聞きたかったのだそうだ。
栗って両隣から確証を得ないといけないくらいのポジションなのか。
てかマミ別にそんなに栗が好きとか苦手とかないだろ。
そもそもメニュー表に「栗のポタージュ」って書いてあんだろ!!

普段以上に中身のないやりとりをして、最終的に何故か半笑いで食事を楽しむ私たちに構わず披露宴は進んでいく。いよいよキャンドルサービスだ。新郎新婦が各丸テーブルの中心に用意されたキャンドルに火をつけて周っていく。

マミは興奮気味に

「太刀の日!?太刀の日!?」

と話しかけてくる。もうだめだ、完全に理解できない。私は考えることを諦めた。

素晴らしい披露宴は終わり、美しい新郎新婦に心を清めてもらい
なんだかスンッとした気持ちになった私はリーゼントを崩すことなく会場を出た。
新郎新婦のお二人、この度は本当におめでとうございます!!!!

帰り際、あやぬんにマミの”栗のスープ”の話をした。

あやぬんはいつものようにおっとりしながら
「あ~あれね、私はブリ(鰤)って聞こえた~」と言っていた。


近くても遠い、ってこういうことを言うんだな。

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