甘えメーターが振り切れる男たち

はじめて彼氏ができたのは大学生の頃だった。共通の友人に紹介され、何度か会い、告白されたので
「好き」がよく分からないままだったが交際がスタートした。

今思えば、彼にそれほど恋愛感情があったわけではなかったが色々なところに出かけたりすることは楽しかったし、彼氏がいるという充実感も心地よかった。

毎日会いたい、常に連絡を取りたい、というタイプの彼から鬼のように届くメールをいつものように適当に冗談交じりに返していたら

「も~ぅ、さしみのぃぢゎるぅ~!」

という返信が届いた。(※彼は「は」が「ゎ」のタイプの人間でもある)

この返信のインパクトにそれまでのやり取りの記憶を全て持っていかれ、私が何という文章を送ってこの返事が来たのか全く思い出せない。私より3~4つ年上の彼氏からこの文章はなかなかきつい。
「は」が「ゎ」という衝撃にはぎりぎり耐えられるが「いじわる」を「ぃぢゎるぅ~」と変換するのはさすがに如何なものか。

別の日、これも私が何か言った後
「俺、さしみといると甘えんぼさんになっちゃうぅ~~」
と言われた。なるな。例によってこの前後の会話は何も思い出せない。

これが…付き合うということ…?
世間一般の「彼氏」とはこういう生き物…?

なにせ生まれて初めての彼氏だった。基準が分からない。
それにしても、きつい。

結局「会いたい会いたい電話したい電話したいメールの返事遅いよ!?」の彼とはどうしても合わず、その後別れた。

しかしこれは序盤に過ぎなかった。

社会人になってから人生で二人目の彼氏ができた。彼とは社会人サークルで知り合って、1年ほど友人として過ごしたのちに交際することになった。逞しくて、少しがさつで、男らしい男性。私と同様に連絡がマメなタイプでないところも楽だった。半同棲状態で、このまま結婚するかもなんて考えていたくらい好きだったが結構傷つけられて彼とも別れることとなる。
だが私は覚えている。
二人でごろごろしている時、彼は甘える仕草で「にゃ~にゃ~」と私にすり寄ってきたことを。
「わんっ、う”~、わんっ」と腕の隙間に入り込んできたことを。
念のため言っておくが、彼は人間である。

しかし彼のことは本当に好きだったので、別れた後はかなり落ち込んだ。食欲はないし、眠いのに眠れないし、何もしていなくても涙がでるくらいの失恋だった。

地面にめり込みすぎてブラジルから顔が出るんじゃないかというくらい落ち込んだ後は
その反動で地球を5周する勢いでぶっ飛び遊んだ。合コン、街コン、アプリ、飲み歩き。
気が済むほど遊び、気が付いたら取引先の営業マンといい感じになっていた。
まじめな好青年。
背は高いしスーツは似合うし年も近い。
時間を重ね、彼はうちに遊びに来るようになる。
刻一刻とその瞬間はやってくる。
夕食後うとうとする彼を起こさぬよう、
片づけをはじめると…

「どこにも行かないでよ~こっちでぎゅ~ってするの~~」
(※酒は入っていません)

と私を探す声がした。
どうなってるんだ。

普通の男はおらんのか。普通の男は。
私が思い描く”普通の人”は幻想なのか。

一年後、私はオーストラリアにいた。
ワーキングホリデービザを取得し、現地の語学学校に通う私の隣には台湾人の彼氏。
この台湾人の彼氏についてはまた別の機会に記事を書こうと思っている。
優しい彼氏。
オーストラリアにいるのに私のために日本語を勉強しはじめた彼氏。
「それの、なにの、いみ?」(訳:それ、日本語でなんて言うの?)が口癖の彼氏。

彼はあの夜、私の腕を甘噛みしながら確かにこう言った。

「みゃ~お」

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コメント

  1. いでかみ より:

    さしみが猫に食われてたら世話ねぇなwww

    ゴロニャン

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