
あらすじ
この絵は真作か贋作か―――。
フランスの巨匠、アンリ・ルソーの魅力に取りつかれた二人の研究者が
ルソーの名作に酷使した作品、”夢をみた”の所有権を懸け、
カンヴァスに込められた思いと隠された謎を解く。
物語の主人公はニューヨークの美術館でキュレーター(芸術品の専門知識で研究や鑑定をする人)を務めるティム・ブラウン。
少年時代に見たアンリ・ルソーの作品に衝撃を受けて以来、ルソーの虜となる。
ある日彼の元に一通の手紙が届く。
「私が所有している作品を調査してほしい」
差出人は誰もその姿を見たことがないという伝説のコレクター、バイラ―からだった。
スイスにあるバイラ―の邸に降り立ったティム。
その横には、同じく招待状を受け取った早川織絵という日本人女性がいた。
彼女もまた、ルソーに魅せられルソーを愛す研究者である。
緊張の中、バイラ―は二人にルソーの名作「夢」に酷使した「夢をみた」という作品を見せ
謎の書物と共に作品の真贋調査をするよう命じた。
正しい判定をしたほうに作品の所有権を譲るという条件をつけて。
謎の作品「夢をみた」は本物か偽物か?
二人の研究者に調査させるバイラ―の目的は?
所有権を手にするのは誰か!?
美術に取りつかれたものたちの熱い感動の物語。
ネタバレなし感想
また知らない世界を覗いてしまったああああ
小説だから文字だけなのに、言語化された絵画作品に引き込まれる。
作家の表現力、恐るべし。
舞台が海外だし、アート系は疎いから難しそうって思ってたけど
読み始めたら流れるようにすらすらと入ってきてびっくり。
作家の表現力、恐るべし。(2回目)
美術作品が持つ価値とか、その時代に活躍した画家の思想とか、
読めば読むほど深くて面白かった。
ジャンルはミステリ系というだけあって散りばめられた謎がつながっていく感じも楽しめました。
美術作品の尊さを描いただけに心が清らかになるような一冊でした(´-`)マンゾク・・・
ネタバレあり感想
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メインはオリエとティム、ルソーの話なんだけど
最後にオリエと娘が通じるところもすごくよかった。そこで泣いた。
オリエの娘が「真絵」(真の絵)っていうのがこの物語の核心をついていたことも感動。
はああ思い出したら余韻が。。。
いやーまさかまさかの展開。
物語を追えば、ルソーとヤドウィガが気になるし
現実ではティムとオリエが気になる
次々と怪しい人物は出てくるし
「夢をみた」の下にピカソの作品が描かれている疑惑に加えて
極めつけは物語の作者。
一つの作品がコレクター、闇取引、オークションで巨額を動かすっていう世界。
未知だわぁ…
ルソーは聞いたことあるような、ないような…
下手とか日曜画家(趣味でやってるレベルっていう皮肉)とか言われてるらしくて
一回ググってみたけど…うん、分からん。芸術難しい。

でもこの小説読むと非常に魅力的な絵に感じるんだよ!不思議!
コレクターはどんな高額でも手に入れたい絵画があって、手に入れたら
一日中眺めたりするんだって~。芸術ってもはや麻薬みたいなものなのかもね。
最初は何のためにバイラ―は研究者二人を争わせるのか謎だったけど
よりルソーを愛している方に、その絵を引き継いでほしいっていう想いだったのは感動。
この話に出てくる人は作品と作者を本当に愛してる人しか登場しなかった。
アートに人生をかけた人と、その人生を永遠に守りたいという人達の美しいお話でした(´;ω;`)
最後に
ゆいちゃん、この本貸してくれてありがとね、この本に出会えてよかったよ( ;∀;)

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