
あらすじ
高校生の主人公、由紀夫には父親が4人いる。
ギャンブル好きでどうしようもない父、鷹。
甘いマスクであらゆる女性を虜にする父、葵。
穏やかで博識な大学教授の父、悟。
スポーツに長けた(私の想像では)ガチムチの中学生教師、勲。
奇妙な家族構成が故に、目立たず静かに過ごしたい由紀夫であったが
鷹に連れられ訪れたドッグレースで不可解な人物を目撃し、事件に巻き込まれてしまう―――。
裏の世界ではその名を知らないものはいない富田林(とんだばやし)の存在。
突然不登校になった野球部のクラスメイト。
頻繁に同級生にかかってくる謎の電話。
町を騒がせている知事選挙と、変死体の関係性。
次々に巻き起こる事件に目が離せない!
性格も職業も様々な4人の父親をはじめ、個性豊かな登場人物との掛け合いが面白い!
次から次に巻き起こる事件にうんざりしながら巻き込まれていく様が面白い!
疎ましく思う4人の父親から受けた影響が、不本意ながら役立ってしまうシーンが面白い!
笑えて、ほっこりして、じんわり温かい気持ちになれる最高のエンターテインメント!
ネタバレなし感想
おっもしろかった〜!!!!!
主人公の由紀夫には父親が4人もいる!っていういきなりとんでも設定(゚∀゚)
今ちょうど話題の「そしてバトンは渡された」のキャッチコピーが
“私には五人の父と母がいる”だから、
このタイミングでこの小説を手にした偶然がちょっと嬉しい笑
由紀夫含めた5人の掛け合いが最高だった!
死人が出るような事件もあったけど、内容は一貫としてコミカル。
シリアスな部分はなくて、ただただ楽しみながら読めました。
最後はちょっと詰め込みすぎて無理あった気がしたけど伏線も全部回収されてスッキリ。
伊坂幸太郎さんて殺伐とした内容の小説しか知らなかったからこんなに楽しい話は新鮮…
何作か読んだから勝手に彼を知った気になってたけどこういう小説も書くのか〜。
しかも伊坂作品はちょいちょい「〇〇の登場人物がこの作品に!?」みたいのがあるらしい…
それはもう読まざるを得ないねえ(´▽`)
ネタバレあり感想
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伏線が分かりやすかった(自分では何も解決できなかったけど)!
少し前に東野圭吾さんの「どちらかが彼女を殺した」読んだんだけど
伏線多すぎて&難しすぎてラストまで読んでも分かんなかったんだよね~。
私みたいなあほの読者にはこのくらい分かりやすい伏線だと純粋に楽しめます…
この本がなぜこんなにコミカルで楽しい本なのかというと、理由は圧倒的に4人の父親の存在。
由紀夫の母が四股をかけた結果、みんなと結婚するという常識破りの行動に出たにもかかわらず
この4人に嫉妬や憎しみという感情はなく、むしろ古くからの友人のような距離感。
由紀夫と会話するシーンですら、”父”というより”兄・友人”感があって本当に楽しい。
勲が暴力事件を起こしたあとの「暴力教師、唐揚げを食べる」っていうおちょくりとか。笑
由紀夫たちが牛蒡男と揉めてるときに、アイドル出没の噂を聞きつけた女子高生の大群が
地響きを起こす勢いで突撃してきたり
警察で事情聴取されてる由紀夫を父親四人組がそろって迎えに来たり
由紀夫の家を訪ねてきた怪しい男に一人ずつ次々に
「由紀夫の父です」って言いながら登場してきたり
笑えるシーンがほんとにたくさんあった笑
最初の多恵子の絡み、さすがにちょっとだるいな~って思ってたら
ネットに書き込まれてたこの本の感想にも
「多恵子が無理だった」「多恵子に耐えれず読むのをやめた」
とか書いてあったww多恵子可哀そうww
でも結構めんど、いや、かなり面倒なキャラだったな(*_*)
後半はグッジョブだったよ!
殿に頻繁にかかってくる謎の女からの電話、あれ絶対富田林の詐欺事件関係の
電話だと思ってたんだけどなー。ただの賭け事だったか~。
全部が全部大きな事件に関わってるわけないよね、見事に騙されました、ハイ。
一番最後にようやく母が登場。
「元気?私の大事な夫たちは」で終わります。
序盤で父4人組が、「知代は由紀夫のことしか心配してないよ」って言ってたシーン思い出した。
知代は夫たちも由紀夫も大切な存在なんだってことがわかってよかった。
4人も旦那を作ってさらに結婚しちゃうっていう行動力を持ち合わせている母、知代。
彼女が一番ぶっ飛んでるんだろうね。
忙しい人向け一文まとめ(ネタバレ込み)
由紀夫がうっかり知事選挙の裏側に足を踏み入れてしまい、4人の父親が助けてくれるコミカルな話。

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